【インタビュー】月9ドラマ『PRICELESS ~』~サブタイトルに込めた意味
2012/12/1 7:00
これまで様々な職業の主人公を演じてきた木村拓哉が、何者でもない、無一文の男性を演じている『PRICELESS ~あるわけねぇだろ、んなもん!~』が話題を集めている。プロデューサーの牧野正氏は、過去に『プライド』『エンジン』『HERO』で木村と組んだヒットメーカー。貧乏だけど最高にカッコいい、新たなヒーロー像が誕生した背景や、サブタイトルに込めた意味などに迫る。
木村拓哉がホームレス役に!? と、放送前から話題を呼んでいた『PRICELESS ~あるわけねぇだろ、んなもん!~』。主人公の金田一二三男は、家も職も失い、無一文から這い上がっていく元中間管理職の男性。過去3作の月9ドラマで木村と組んだ牧野正プロデューサーは、これまでのどんな役とも違う、大胆な役どころを彼に託した。
「暗い出来事が多い今の日本で、見た人が前向きになれるサクセスストーリーを作りたいというのがスタートでした。主人公がド貧乏に転落するところから始めてみようという話になったときに、木村拓哉さんがそのような役をやったらどんな感じになるのだろうと思ったんです。果たして引き受けてくださるのかとも思いましたが、非常に前向きな返事をいただいて実現しました」
木村演じる金田一は、その圧倒的な魅力で作品をけん引。自然に人を引き付ける金田一=木村の存在によって、「主人公が成長するのではなく、彼に影響されて周りが変わっていく」物語が生まれた。
「金田一という強い主人公に、木村さんという強い役者を据えて、彼の魅力によって周りが変わっていく物語を作りたかったんです。木村さんは、非常に計算された巧みな芝居で、バランスよく金田一を演じてくださっています。ド貧乏に転落する役ですから、我々としては“木村拓哉がここまでやるのか!”というものを見たい。その一方で、“こんな木村拓哉は見たくない”というラインもある。そのさじ加減をギリギリ維持しつつ、最大限のところまでやっていただいていると思います」
一見突飛な設定だからこそ、細部のリアリティーは失わず、テーマをしっかり伝えたいという牧野氏。そんな本作の核心が凝縮されているのが、インパクトのあるタイトルとサブタイトルだ。実は劇中でも、サブタイトルが重要な働きをしている。
「これは木村さんのアイデアなのですが、登場人物の誰かのセリフに、毎回“あるわけねぇだろ”という言葉が入っているんです。でも、それが徐々に変わっていって、“ないわけねぇだろ”というセリフにできたらいいねと。最初は手に入らない“プライスレスなもの”を、いつしか手に入れていく…というテーマを、サブタイの言葉で見せていったら面白いんじゃないかと思っています」
■意外性を意識した敵役・藤木直人のキャスティング
中盤からの物語を盛り上げるのが、木村と中井貴一、香里奈の3人による会話劇と、金田一と対立する兄を演じる藤木直人の存在感だ。どの俳優もすべての芝居が凄いと前置きした上で牧野氏は「木村さんと中井さんと香里奈さんの会話劇を楽しむイメージは、かなり早い段階からありました。中井さんのコミカルな芝居は絶品ですし、香里奈さんにも、ちょっと変わったコメディキャラを演じてみてほしいという思いが前からあって。藤木さんについては、木村さんと敵対して向き合ったときの映像を想像して決めました。わかりやすい敵キャラの俳優さんよりも、藤木さんの方が木村さんと並んだときに新鮮かなと思ったんです。『任侠ヘルパー』で草なぎ剛さんに極道を演じていただいたときもそうでしたが、今回の藤木さんのように、意外性のあるキャスティングをいつも意識しています」と話す。
確かな着眼点で、数々のヒット作を生み出してきた牧野氏。ヒットを生む鍵について聞くと、「難しい」と言いつつも“企画力”を挙げた。
「視聴率に関しては、企画が決定した時点である程度決まる気がします。いくら宣伝しても、企画が持つ潜在的な数字から劇的に上がることはないし、キャストが豪華でも企画に合わなければ意味がない。そんななかで、原作のないオリジナル作品をヒットさせるのは大変です。だからこそ、当たると気持ちいいんですけどね」
オリジナルで勝負した本作は、まさに企画のインパクトで視聴者の興味を引いた好例。ヒットメーカーが送り出す物語の行方に期待が高まる。(オリジナル コンフィデンスより)
2012/12/1 7:00
これまで様々な職業の主人公を演じてきた木村拓哉が、何者でもない、無一文の男性を演じている『PRICELESS ~あるわけねぇだろ、んなもん!~』が話題を集めている。プロデューサーの牧野正氏は、過去に『プライド』『エンジン』『HERO』で木村と組んだヒットメーカー。貧乏だけど最高にカッコいい、新たなヒーロー像が誕生した背景や、サブタイトルに込めた意味などに迫る。
木村拓哉がホームレス役に!? と、放送前から話題を呼んでいた『PRICELESS ~あるわけねぇだろ、んなもん!~』。主人公の金田一二三男は、家も職も失い、無一文から這い上がっていく元中間管理職の男性。過去3作の月9ドラマで木村と組んだ牧野正プロデューサーは、これまでのどんな役とも違う、大胆な役どころを彼に託した。
「暗い出来事が多い今の日本で、見た人が前向きになれるサクセスストーリーを作りたいというのがスタートでした。主人公がド貧乏に転落するところから始めてみようという話になったときに、木村拓哉さんがそのような役をやったらどんな感じになるのだろうと思ったんです。果たして引き受けてくださるのかとも思いましたが、非常に前向きな返事をいただいて実現しました」
木村演じる金田一は、その圧倒的な魅力で作品をけん引。自然に人を引き付ける金田一=木村の存在によって、「主人公が成長するのではなく、彼に影響されて周りが変わっていく」物語が生まれた。
「金田一という強い主人公に、木村さんという強い役者を据えて、彼の魅力によって周りが変わっていく物語を作りたかったんです。木村さんは、非常に計算された巧みな芝居で、バランスよく金田一を演じてくださっています。ド貧乏に転落する役ですから、我々としては“木村拓哉がここまでやるのか!”というものを見たい。その一方で、“こんな木村拓哉は見たくない”というラインもある。そのさじ加減をギリギリ維持しつつ、最大限のところまでやっていただいていると思います」
一見突飛な設定だからこそ、細部のリアリティーは失わず、テーマをしっかり伝えたいという牧野氏。そんな本作の核心が凝縮されているのが、インパクトのあるタイトルとサブタイトルだ。実は劇中でも、サブタイトルが重要な働きをしている。
「これは木村さんのアイデアなのですが、登場人物の誰かのセリフに、毎回“あるわけねぇだろ”という言葉が入っているんです。でも、それが徐々に変わっていって、“ないわけねぇだろ”というセリフにできたらいいねと。最初は手に入らない“プライスレスなもの”を、いつしか手に入れていく…というテーマを、サブタイの言葉で見せていったら面白いんじゃないかと思っています」
■意外性を意識した敵役・藤木直人のキャスティング
中盤からの物語を盛り上げるのが、木村と中井貴一、香里奈の3人による会話劇と、金田一と対立する兄を演じる藤木直人の存在感だ。どの俳優もすべての芝居が凄いと前置きした上で牧野氏は「木村さんと中井さんと香里奈さんの会話劇を楽しむイメージは、かなり早い段階からありました。中井さんのコミカルな芝居は絶品ですし、香里奈さんにも、ちょっと変わったコメディキャラを演じてみてほしいという思いが前からあって。藤木さんについては、木村さんと敵対して向き合ったときの映像を想像して決めました。わかりやすい敵キャラの俳優さんよりも、藤木さんの方が木村さんと並んだときに新鮮かなと思ったんです。『任侠ヘルパー』で草なぎ剛さんに極道を演じていただいたときもそうでしたが、今回の藤木さんのように、意外性のあるキャスティングをいつも意識しています」と話す。
確かな着眼点で、数々のヒット作を生み出してきた牧野氏。ヒットを生む鍵について聞くと、「難しい」と言いつつも“企画力”を挙げた。
「視聴率に関しては、企画が決定した時点である程度決まる気がします。いくら宣伝しても、企画が持つ潜在的な数字から劇的に上がることはないし、キャストが豪華でも企画に合わなければ意味がない。そんななかで、原作のないオリジナル作品をヒットさせるのは大変です。だからこそ、当たると気持ちいいんですけどね」
オリジナルで勝負した本作は、まさに企画のインパクトで視聴者の興味を引いた好例。ヒットメーカーが送り出す物語の行方に期待が高まる。(オリジナル コンフィデンスより)
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