浅茅陽子、西田尚美、犬山イヌコ、中鉢明子、綱娘4人が語る井上真央
映画.com 11月24日(土)6時0分配信


 [映画.com ニュース] 井上真央の主演最新作「綱引いちゃった!」が、11月23日に公開される。今作には、井上をはじめ松坂慶子、浅茅陽子、西田尚美、ソニン、渡辺直美、犬山イヌコ、中鉢明子と個性あふれる女性キャストがずらり勢ぞろいした。各ジャンルで活躍を続けてきた浅茅、西田、犬山、中鉢の4人が今作の撮影を振り返り、井上の“座長”ぶりについても明かした。

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 水田伸生監督がメガホンをとる今作は、実在した女子綱引きチームを題材にした人情喜劇。市のPRに躍起になる市長から、かつて世界インドア綱引き選手権大会で3度も世界チャンピオンに輝いた大分コスモレディースを引き合いに出され、女子綱引きチーム結成を厳命された市役所広報課勤務の西川千晶(井上)が、勤務先の給食センターが廃止の危機にある母・容子(松坂)と同僚たちをメンバーに抜てきする。

 4人の役どころを紹介しておこう。浅茅扮する大林和枝は容子の親友で、ある事情から「おデートがある」と理由をつけ練習をサボりがち。西田は、反抗期の息子との関係がギクシャクしている中山絵美役。犬山が演じるのは、大の競輪好きだが綱引きメンバーのシューズカバーを手作りする優しさもあわせ持つ姫野かおる。中鉢は、タバコを手放せずあまり自己主張をしない吉田沙織役だ。4人それぞれが給食センターの廃止には反対しているが、さまざまな事情を抱えているがゆえに綱引きの練習に邁進することができない。そんな設定とは裏腹に、女優陣の奮闘ぶりには目を見張るものがあった。クランクイン前からのトレーニングはもちろん、大分ロケ時も午前中のみ撮影の日には午後から練習が組み込まれたが、全員が一体となって気持ちをひとつにまとめた。

 その中心にいたのが、NHK連続テレビ小説「おひさま」を“卒業”してから初仕事となった井上だ。浅茅は「おひさま」で共演しており、今回が2度目となったが「人懐こくて、しっかりしていて、頭がいい。それでいてイタズラ好きで、お茶目なんですよ」と大絶賛。さらに、「真央ちゃんはぶれないのよ。それにすごく大人の部分があるから、少し見習わないといけないなと思うほどですよ」と笑う。

 西田にとっては、井上と共演経験があり久々の対峙となったが、「あの当時からすごく利発で、秀でてかわいい女の子。その頃の写真を見ると、本当に今と変わらないんですよ。そのまま成長していて、『わたしのこと、覚えている?』と聞いたら『覚えているよ~』と笑顔で寄ってきてくれました。彼女の活躍はテレビで見て知っていましたが、大人になった真央ちゃんと共演できてうれしかったですね」と目を細めた。初共演組のふたりも、「真央ちゃんは世の中の方々が抱いている印象とまったく変わらないと思う。その辺もぶれていませんよ。賢くて、かわいくて、気持ちがよくて」(犬山)、「最初はすごくシャイな方だと思ったんですよ。でも、すごく気を遣われていたんだと気づきました」(中鉢)と口をそろえる。

 “女子会”の様相を呈してきたものの、ベテランの浅茅が“綱娘”たちを絶妙なタイミングでリードする。女優陣の誰もが故障を抱え満身創痍のなか、それでも真摯に臨み続けたのは、今作のテーマが全員の琴線に触れ、心根に届いたからにほかならない。浅茅は、「私たちはひとりじゃないっちゃ」というセリフを挙げる。「東日本大震災があって半年経つか経たないかというころでしたし、日ごろから仲間とか皆で心をひとつにして何かに立ち向かうっていう局面は、仕事をしているとたくさんあるんですよ。自分の経験上からも無理だろうなと思っていたことが、全員が心を合わせたときに想像以上にパワーが働いて、1+1が2ではなく、4にも5にも10にも、さらにもっとにもなるかもしれないというケースがありました。そういうことを目の当たりにしてきたので、震災で困っているときに皆が気持ちをひとつにするっていうことが、全てにおいて一致したんです、自分の中で。非常に心に残る、思い出深く意義深い作品です」と語る。

 女児の母でもある西田は、「大分に1カ月も行かなければならないし大変だなとは思ったのですが、やった方がいいなと直感的に思いました。これだけの女優さんと絡む機会ってそんなにないと思うんです。そういう作品に出演することはすごく素晴らしいことですし、実際にやって良かったです。家族全員の思い出になれる作品になったと思う」と充実した面持ちでほほ笑んだ。犬山は、「映画にそんなに出演したことがないので、今回はひとつのチームで作品をつくりあげるっていう現場に身を置けたことが、すごく良い経験になった」といい、過酷を極めた綱引きのトレーニングについても「上っ面だけじゃどうにもならないって皆が思っていましたから。コスモレディースの方々は、本当にすごいなって思いますよ」と畏敬の念をにじませた。

 中鉢は今作が銀幕デビューとなったが、「技術がないしタバコも吸ったことがなかったので、まずはタバコを吸ってみました。そこからの仕草で吸う人を知るのかなと思って」とニッコリ。さらに、「綱引きについても、やったところでリアルなものを出す方が私には近道。とにかく練習してのめり込んで、そこから隠しても出てきちゃうようなもので表現したつもりです」と独特の言い回しで、熱い思いを口にしていた。














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